岡澤が経験した最高の結婚式から考える会費制結婚式派?ご祝儀制結婚式派?
大阪のホテルでウエディングプランナーをしていたとき、
北海道出身の新郎様を担当させていただきました。
その新郎様から「大阪では、結婚式は会費制じゃないんですね」という質問をされたことを覚えています。
15年以上前でしたが、北海道は会費制というシステムなんだと、その時、初めて知りました。
更に、北海道では結婚式の幹事が、あらゆる準備をするので、すごく重要な役割ということも伺い、「へぇ~!そんな感じなのか・・」と、驚いたことを覚えています。
北海道の皆さま、今もそんな感じでしょうか?
また、良かったらお教えください。
また、地域別の結婚式の特徴もまとめてみたいなぁ・・・。
(名古屋より東は、ウエディングケーキの位置が違うとかね。)
さて、今日は会費制結婚式について。
(ニューヨーク花市場で見つけた多肉植物のリース)
<目次>
1 会費制結婚式とは?
会費制結婚式の特徴は「気軽でお洒落な結婚式」
今ではポピュラーになってきた会費制結婚式。
あらかじめ、会費が決まっており、その金額をゲストが支払うというものです。
- カジュアルな結婚式がしたい人、ゲストに金銭面の負担を掛けたくない人
- 再婚のカップルなどから、人気
- 会費は1万円~1万5千円が一般的
ご祝儀制結婚式のご祝儀の相場が3万円なので、参加するゲストにとっては、お財布に優しい(笑)←これが最大の特徴ですかね。
なので、会費制の方が出席しやすいなぁ・・と考える人もいるかも知れません。
気軽に出席できるカジュアルなパーティの延長のような結婚式というイメージです。
会員制結婚式での注意点
会費制の場合、その旨を招待状や、招待メールで伝え、ご祝儀は辞退することを書いておくことが多いです。(招待状も作らないカップルもいらっしゃいますよ。ラインやメールでやり取りするパターン)
フォーマルな結婚式を望む年配の親族や家族には、まだまだ不評を買うこともありますので、ちょっと心配なご家族がいらっしゃれば、報告してから決めた方が無難です。
2 ご祝儀制結婚式とは?
日本中で行われているスタンダート3万円を包む所から始まるご祝儀制結婚式
ご祝儀制結婚式は昔からの一般的なスタイルですね。
ご祝儀の額は、首都圏で友人が3万円くらいが平均です。
大阪も友人なら3万円ですね。
実は、リッツカールトンなら、3万円包んでも、確実に新郎新婦は赤字だから、
ちょっと気を遣うことが私は多いんですけど、どうですか?
ご招待し、ご祝儀をいただくという形の結婚式ですから、ご両家も、引出物・引菓子などの返礼や、お料理や飲み物、お車代などに気を遣う必要がでてきます。
でも、その分、フォーマルな結婚式・披露宴という雰囲気になります。
岡澤はこれからのことはこれからの世代が決めるというスタンス
会費制・ご祝儀制どちらもメリット、デメリットがありますので、ここはお二人の価値観だと考えてます。
結婚式の捉え方というか、どんな風に考えているかの意味付けが、個人によって、大きく違うかも知れません。そして、時代にも左右されるのは確かです。
ご祝儀制が古い・・もう全国どこでも披露宴は「会費制」という世の中になるかどうかは、岡澤は、これからのミレニアル世代やもっと若い人たちが決めていくことだと思っています。
ブライダル業界の卵たちは「会員制結婚式派?ご祝儀制結婚式派?」
ちなみに、ブライダルの専門学校に在籍している私の教え子たちに、毎年このアンケートを取っていますが、ここ10年変わらず、「ご儀制結婚式にしたい」という学生が90%以上です。
やはり、ミレニアルな彼女たちも、結婚式はフォーマルを求めているのか・・と思ったら、「だって、自分たちだけがご祝儀を貰わず、会費制にしたら損な気がする。」という理由なのです。(笑)
「いやいや・・、3万円のご祝儀いただいても、その分おもてなしするから、黒字にする考え方ではないんだよ‥」と説明すると、複雑そうな顔をしています。
3 会員制結婚式?ご祝儀制結婚式?岡澤が経験した最高の会費制結婚式
どっちがいいか?これは、やはり二人の考え方次第ですね。(答えになっていませんが)でも何かの参考になればいいなと思うので、私が担当した【最高の会費制結婚式】のエピソードをお話したいと・・。
「お金もないし、子供もできたし、結婚式なんて・・」と諦めていたカップル(伊藤夫妻・仮名)のご友人A子さんがある日、リーガロイヤルのブライダルサロンに訪ねてきました。
対応した私は、A子さんを花嫁だと思って接客に入りましたが、アンケートを見ると白紙。事情を聴くと、伊藤夫妻のために結婚式を開いてあげたいというご希望でした。
共通のお友達50人が二人のために、集まるとのこと。
その当時、結婚式を会費制で行うというのは珍しかったので、驚きましたが、
伊藤夫妻の為に集まる50名のゲストの存在をお聞きした時、なんて、素敵な人たちなんだろうと感動しました。
そして、これほどご友人に愛されている伊藤夫妻って、素敵な方々なんだろうなと、自然とお二人のお人柄まで想像できました。
まだ、私が30歳になったばかりで、その伊藤夫妻、A子さんも同じ歳でした。
よく話しを伺うと、集まるのは同級生たち。
伊藤夫妻、そしてA子さん、50人のゲストは全員同じクラスの同級生だったのです。
伊藤夫妻のご両親にも連絡し、二人に内緒でご両親も参加してもらえるよう、承諾をとり、日程もすでに決めてきておられました。
運よく、その日会場も空いており、とんとん拍子に打ち合わせは進みました。
問題は、伊藤夫妻の衣装をどうするかでした。
新郎の衣装はオーソドックスなものにして、おおよそのサイズだけを伺い即決定(笑)
問題は花嫁さんのドレス選びでしたが、翌年に結婚を控えていたA子さんが「ドレスを試着に行くので、付いてきて欲しい」と彼女を呼び出し、コーディネーターが「お嬢様もお好きなのを1着選んで、着てみませんか?」と花嫁さんに勧め、ドレスを決めることができました。
あの時は、ドレスのコーディネーターも私も、必死にサプライズを悟られないよう、演技しました。全員、名演で女優でした(笑)
そして当日、両家のご両親が二人にウソをついてくれました。
「両家の家族でリーガロイヤルで食事をしよう」と、二人を会場に連れてきてくれたのです。
そして最高の結婚式が始まりました。
笑ったり、泣いたりするご友人とお二人。温かく、幸せな挙式と披露宴でした。
ご友人に囲まれる伊藤夫妻と赤ちゃんが、キラキラ輝いていました。
受付に並ぶゲストの方々が、嬉しそうな笑顔で会費の3万円を払う姿に、私は感動したのを覚えています。
ドレスもタキシードも写真も、ブーケも、彼らの会費でした。
私は、挙式のあとのフラワーシャワーをプレゼントしました。
食事は立食、引出物・引菓子も無しでしたが、
結婚式をプレゼントする・・こんなことも出来るんだ。今から20年前のお話です。
そう、結婚式は魔法の1日です。
誰かのこうしたい・・その思いが現実を創るのです。
私やスタッフを51人目のクラスメートに加えてくださるような、そんな素敵なご友人たちでした。
私が初めて担当した会費制結婚式を思い出して、今日はブログを書きました。
とても幸せな時間でした。
伊藤夫妻の赤ちゃんは今年、成人式を迎えました。
今でも、A子さん、伊藤夫妻と年賀状のやり取りをしています。
まとめ
2011年から8年間の調査で、結婚式をしない理由のナンバーワンは、経済的な理由という結果が出ています。
結婚式は1組1組違っていいのだと、A子さんや同級生の皆さんが私に教えてくれました。
会費制でも、ご祝儀制でも、カジュアルでも、フォーマルでも、私が大切に思うことは、結婚式は、お二人がこれから一緒に生きていくことを誓い、スタート地点に立つ、その記念の日であるということです。
そこに集まってくださる友人やご親族への感謝の気持ち、一生忘れずに大切に出来るといいですよね。
お二人の結婚式が上質で、温かく、価値のある日でありますように。