熨斗袋ってなんて読むの?から始める祝儀袋の基礎知識
大ベストセラー著者であり、マナー講師の金森たか子先生が日本の伝統文化「水引き講座」をされるということで、京都に行ってきました。
(私と金森先生のレッスン風景。先生の手元を見ています)
今日は水引きや、のし、おため、しめ縄まで、日本の文化をなるべく簡単に説明したいと思います。
マナー本でも、この部分は難しくなりがちなんですけど、頑張って書いてみます!
①水引きとは?
水引(みずひき)とは、お祝い事、お悔やみ事に用いられる飾りで、送り物の包み紙などにかける紅白や黒白などの帯ひもで、贈り物や封筒(金封)に付けられる飾り紐です。
その形や色で、色んな使い分けをします。
で、こちらのイラストに分かりやすく説明がありますのでご覧ください。
②熨斗とは何か?
こちらは金森先生からいただいた懐紙の入った祝儀袋です。水引きがカラフルで綺麗ですよね。
この袋の右上に熨斗(のし)が付きますと、のし袋と言うんですね。
のしは、昔、「のして細くした本物のアワビ」を紙で包んで、贈り物してた名残なんです。
長寿を祈る贈り物だったんですね。だから、今でも、おめでたい時にしか「のし」は付けません。お悔やみ事に「のし」がないのは、このためです。
で、これが現在の「のしアワビ」と「のし」のイラストです。
③お多芽とは何か?
結婚で頂くご祝儀に対して、お返しに「おため」を用意するんですが、最近知らない人も多いですよね?
自宅などにご祝儀を持って来ていただいたら、以前は、お多芽を返していました。
いただいたご祝儀の1割のお金を入れる場合や、お金は入れず、懐紙や金封を入れる場合も。
今は、この習慣が残ってるのも京都くらいですかね。
結婚式で頂くご祝儀には、お多芽は不要です。
引出物、引菓子がお土産として用意されているからです。
おためとは、昔は、お重箱にお菓子などを入れ、これを贈り物(御祝など)として頂いた際に、 「このお重箱をきれいに洗ってお返しします。」という意味を込めて、 真っ白の紙である半紙などを入れて重箱をお返ししていました。
この背景から、贈り物を頂くと、半紙や懐紙などをお多芽紙としてお返しするようになったんです。
また、昔は、丁稚さんがこの贈り物を持って、ご主人様の御供をしたので、丁稚さんにお駄賃を渡していました。
ここから、半紙などのお多芽紙と共に、1割のお金をお返しするようになったそうです。
この1割のお金には交通費的な意味合いもあるんですね。
京都では、交通費の意味合いで、誰から贈り物を頂いても、1割のお金を入れるそうです。
大阪では、丁稚さんのお駄賃と言うことから、目上の方に、お金を入れるのは失礼にあたるとして入れないそうです。
そう言えば、大阪はおためをするとき、たいていはお金じゃなくて、懐紙か金封でした。
今は、あまり無いのかなぁ?
④しめ縄とは何か?
で、今日、講座で作らせていただいたのは、こちらです。
こんな素敵な「中連縄 」(しめなわと読みます)を作りました。
注連縄(しめなわ)とは、神道の神祭具で、紙垂(しで)をつけた縄のことです。
標縄・七五三縄・〆縄 この漢字、全部「しめなわ」と読むんですって!!
神社では「社(やしろ)」・神域と現世(俗世)を隔てる結界の役割を持つそうです。
日本のお正月に、家の門や、玄関や、出入り口、車や自転車にも、昔は注連飾り(しめなわかざり)をして、厄や災いを祓う(はらう)習慣がありました。
最近、お正月でも玄関にしめ縄をしているお家、減ってますよね。車にも昔は、殆どの家庭がしていたのにね。
調べると面白いこともありました。
お相撲さんでも、最高位の横綱だけが注連縄だそうです。なるほどなぁですね。
⑤まとめ
今日、金森先生から大切な学びをいただきました。日本は、「包むと結ぶの文化」なんですって。
たしかにそうだなぁと感慨深かったです。
金封も、袱紗(ふくさ)も風呂敷も、なんなら着物も、帯も、【包んで結んで】いますね。
日本は海外に比べ、贈り物のラッピングも丁寧なはずですね。
簡易包装やエコバッグが主流の世の中になりました。
いつか、のしやしめ縄も無くなってしまうのかしら?日本の文化として、それは少し寂しいですよね。
そんなこともついつい考えてしまいました。
それにしても、素晴らしい講座でした。
金森先生ありがとうございました。
あなたの結婚式が上質で温かく、価値のある日となりますように。
ご祝儀袋やお車代の袋、おめでたい箸置きや、箸袋など、自分で作って披露宴で使いたいカップルさんは、ぜひご連絡ください。
金森先生に1日講座をお願いすることが出来ます。